2022年 06月 26日
ヤブカンゾウ |

熱帯夜が続くが今年は早すぎる。7月8月が思いやられる。寝苦しさに気を取られ、眠られない辛さにまで気が回らずか、薬に頼らなくても眠れている。が、昼間、強烈な眠気に襲われることがある。質の悪い眠りとはこういうものか?
五木寛之著『艶歌』CM音楽ディレクターの主人公が先輩に誘われてMレコードに入社、戦後の艶歌史を作ったという、伝説の男の配属になり、業績不振のM社の合理化を計る先輩と伝説の男との対決に直面する話。まず、演歌でなくなぜ艶歌か、が気になって調べた。演歌は明治時代の自由民権運動において政府批判を歌にしたもので、歌謡曲の一分野になったのは戦後のこと、演歌の中で恋を唄ったものが艶歌、恨みを唄ったものが怨歌と。
この小説で、主人公が「艶歌の小節(こぶし)を聞くとぞっとする」と口にすると、伝説の男は「あんたはほんとうは流行歌が好きなんだよ、ぞっとするんじゃない。ぞくぞくするんだ。あんたの中の日本人の血が、あのメロディーに騒ぐんだ.....好きなくせに教養が邪魔になってる」と応える。教養とは関係ないが、伝説の男の言葉は10年前の私に言われているようで、思わず、傍の夫に向かって読み上げていた。
小節を聞くとぞっとしていた私が、今ではぞくぞくとまではいわないが、以前のような抵抗はない。私や夫の好きなテレビ番組BS「こころの歌」で演歌の歌詞が出てくる。歌詞を見ながら聴いていると日本の風土と暮らしが見えてきて、感傷的になったりすることが多くなった。歳のせいで涙もろくなったか?
演歌に限らず、歌謡曲を耳にすると流行った当時が甦る。それだけではない。一回り年上の姉が歌っていた曲まで口ずさめる。その曲が私の誕生のはるか前だったりして驚く。そのくせ、今の流行り歌は歌えない。ナツメロがぴったしの年齢になった!
by m1e2k
| 2022-06-26 07:30

